研究課題 | 欧州政治経済危機の移行諸国への経済的インパクトに関するパネルデータ分析 |
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研究代表者 | 鈴木拓(帝京大学) |
研究分担者 |
菅沼桂子(日本大学)、岩﨑一郎(一橋大学経済研究所)、雲和広(一橋大学経済研究所)
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成果報告 | 本研究プロジェクト実施期間中においては,主に,研究代表者である鈴木が,欧州政治経済危機の東欧・旧ソ連諸国向け外国直接投資への影響を,岩﨑が,危機時における世界石油価格変動のロシアにおける市場参入・退出率へのインパクトを,雲と菅沼が,危機時におけるロシア地域の出生率や貧困確率の決定要因を,パネルデータを用いて各々調査・分析した。その成果は,ウィーンで開催した特別ワークショップ「欧州危機と新興市場」で報告されると共に,図書および雑誌論文として公開ないし公開予定である。 |
研究課題 | Impact of International Economic Factors on the Russian Economy in the 2000s. |
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研究代表者 | Shadrina Elena(明治大学専門職大学院) |
研究分担者 | 雲和広(一橋大学経済研究所) |
成果報告 | ロシアを中心とする北東アジア地域における国際関係とりわけエネルギー貿易がロシアの経済発展に与える影響,そしてまた資源の存在や地域間の距離が書く地域の経済発展に与える影響の検討を行った。成果は各種学術雑誌や著名出版社での書籍刊行などにより広く公表し,また比較経済体制学会全国大会や欧州比較経済学会,東アジアスラブユーラシア研究集会などにおいて口頭発表を実現した。 |
研究課題 | 戦前期日本における地方政治と地域経済発展 |
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研究代表者 | 岡崎哲二(東京大学大学院) |
研究分担者 |
澤田康幸(東京大学大学院)、北村行伸(一橋大学経済研究所)、山崎潤一(神戸大学)、三浦憲(Brown University)
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成果報告 | 本年度は明治期を対象に、(1)地主の政治力と公的教育支出の関係性の分析、及び(2)国家的イベントが国民意識に与えた影響の計測、 (3)鉄道の効果測定を行った。その結果 、(1)土地分布の平等度と町村教育支出に正の相関があること、及び(2)佐幕派の旧領地において1890年代に徴兵忌避の割合が減少していることが判明した。関連して地方・中央政府の通信頻度と地方財政の関係性を分析する際に必要なデータセットの構築を完成させた。 (4)鉄道の技術受容また都市化や構造変化への効果に関する分析が進んだ。 |
研究課題 | 日米におけるBMIと摂取カロリーのミクロ実証分析 |
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研究代表者 | 井深陽子(慶応義塾大学) |
研究分担者 |
森口千晶(一橋大学経済研究所)、阿部修人(一橋大学経済研究所)、稲倉典子(大阪産業大学)、Timothy Halliday(ハワイ大学)、Anthony Wray(一橋大学)
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成果報告 | 本研究は、日本の熱量及び各種栄養素に関する単価の年度別推移を計算するところから着手した。1970年代以降の『小売物価統計調査』と『家計調査』、『日本食品標準成分表2015年版』他栄養素に関する基礎資料を元に、食品の消費量、栄養素、価格、が対応するデータセットを構築した。現時点の分析から、熱量あたり単価は1990年以降、85年の水準に比べて5%程度低下していること、一方でタンパク質や食物繊維の栄養素単価は上昇していることが確認された。また、ファーストフードに含まれる熱量は、増加や減少といった一律の時系列的な趨勢は確認されず、同じメーカーでも商品によって異なる傾向が確認された。 |
研究課題 | Informal Sector and Income Inequality in Urban China |
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研究代表者 | Shi Li(Beijing Normal University) |
研究分担者 |
馬欣欣(一橋大学経済研究所)、Quheng, Deng(Chinese Academy of Social Sciences)
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成果報告 | Firstly, we constructed repeated cross-section dataset (CHIPs) from 1988 to 2013 and employed a set of empirical studies on the issue. Secondly, we utilized the human resource and material resources to hold an international workshop named "Economic Transition and System Reform in China: Evidence from Micro-data Analysis” in Institute of Economic Research, Hitosubashi University on November 25th, 2016. Four speaker including Shi Li, Xinxin Ma, Quheng, Deng took presentations on the latest studies on issue. Members of Japanese Chinese Economic and Management Association (JCEMA), professors and researchers at Hitotsubashi University and other Universities, students in Japan attended the workshop. Academic discussion and education to students were took in the workshop. Thirdly, we summarized empirical studies to write academic papers, four papers are published in academic Journals, and three papers are discussion papers which are opening to public through the web side of Hitotsubashi University. |
研究課題 | 外国人労働に関する経済学的研究Ⅱ |
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研究代表者 | 山下直輝(ロイヤル・メルボルン工科大学) |
研究分担者 |
相澤直貴(ミネソタ大学)、朝井友紀子(東京大学社会科学研究所)、浦川邦夫(九州大学)、神林龍(一橋大学経済研究所)、田中聡史(クイーンズランド大学)、橋本由紀(九州大学)、深尾京司(一橋大学経済研究所)、山口慎太郎(マクマスター大学)
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成果報告 | 総務省『経済センサス』を鍵に、経済産業省『企業活動基本調査』ならびに厚生労働省『賃金構造基本統計調査』などを事業所レベルで接合した。生産性を計測する前段階として、賃金格差の事業所間のばらつきと事業所内のばらつきに分解した結果、日本全体では賃金格差は拡大していないものの、事業所間格差の拡大と事業所内格差の縮小がちょうど相殺していたことがわかった。引き続き、外国人雇用状況報告やパテントデータの接合を継続し、賃金格差の動向の動因を探求する。 |
研究課題 | 日本及び海外における若手・女性研究者の実態分析 |
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研究代表者 | 三好向洋(愛知学院大学) |
研究分担者 |
青木玲子(九州大学)、安部由起子(北海道大学大学院)、大野由夏(北海道大学大学院)、小原美紀(大阪大学大学院)、臼井恵美子(一橋大学経済研究所)、吉田恵子(桃山学院大学)、高橋新吾(国際大学)、高橋アナマリア(神戸大学)
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成果報告 | 国内外の若手経済学研究者に海外学会と同様の形式で英語にて報告および討論をしてもらい、加えてシニアメンバーに査読付き雑誌に受理されるために必要なものが何かについてのフィードバックを受けるメンタリングワークショップを開催した。また、大学教員の男女賃金格差の分析をするためのデータ構築と、日本の男女間賃金格差の推移を英文で発表するための校正を行った。 |
研究課題 | 政府統計データを用いた秘密分散・秘密計算技術に基づく回帰モデルの実証分析 |
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研究代表者 | 千田浩司(NTTセキュアプラットフォーム研究所) |
研究分担者 |
高橋克巳(NTTセキュアプラットフォーム研究所)、伊藤均(NTTセキュアプラットフォーム研究所)、吉良雄介(NTTセキュアプラットフォーム研究所)、土井厚志(NTTセキュアプラットフォーム研究所)、高橋慧(NTTセキュアプラットフォーム研究所)、菊池亮(NTTセキュアプラットフォーム研究所)、田中哲士(NTTセキュアプラットフォーム研究所)、五十嵐大(NTTセキュアプラットフォーム研究所)、濱田浩気(NTTセキュアプラットフォーム研究所)、小林良行(総務省統計研修所)、三神均((独)統計センター)、坂下信之(総務省統計研修所)、中松建((株)タクミインフォメーションテクノロジー)、白川清美(一橋大学経済研究所)、阿部穂日(一橋大学経済研究所)
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成果報告 |
・公的統計のミクロデータの安全な利用を実現するための研究として、NTTが開発した秘密計算V2システムを一橋大学にサーバ室内に構築し、公的統計のミクロデータを暗号化したまま各種統計演算の評価実験を行った。 ・秘密計算V2システム上で、データを暗号化したまま線形回帰分析等を実行可能な手法を評価した。 ・数量表への汎用的な秘匿ルールの適用のため、「T-ARGUS」の有効性の検証を行った。 ・上記3点の成果に関し、研究集会3件発表、国際会議 (UNECE)2件投稿→何れも採択。 |
研究課題 | 観光が地域経済に及ぼす影響に関する計量分析 |
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研究代表者 | 宮川幸三(立正大学) |
研究分担者 |
菅幹雄(法政大学)、白川清美(一橋大学経済研究所)、芦谷恒憲(兵庫県企画県民部統計課)、大井達雄(和歌山大学)、伊藤伸介(中央大学)、阿部穂日(一橋大学経済研究所)
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成果報告 | 本プロジェクトにおける研究の目的は,小地域における観光消費額を明らかにし,観光が地域経済に及ぼす影響を分析することである。具体的には,GIS(Geographic Information System)を用いて観光地点の位置を特定化した上で,外国人観光客の行動パターンを追究するだけでなく,経済センサスの個票データをもとに作成された市区町村別産業連関表を用いて,鉄道路線別産業別のGDPの推計を行った。これらの本研究の成果については,平成28年度研究集会「ミクロデータから見た我が国の社会・経済の実像」(平成29年3月に一橋大学で開催)で公表しただけでなく,一橋大学経済研究所ディスカッション・ペーパー等で発表する予定である。 |
研究課題 | Geopolitics and Asia’s Little Divergence: State Building in China and Japan After 1850. |
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研究代表者 | Tuan-Hwee SNG(National University of Singapore) |
研究分担者 |
森口千晶(一橋大学経済研究所)、Mark Koyama(George Mason University)
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成果報告 | With the support of this grant, Mark Koyama and I (Tuan-Hwee Sng) have visited IER, Hitotsubashi University, for one week. During the visit, we worked with Chiaki Moriguchi to extend our theoretical and empirical analyses. We also held one-day workshop on economic history at IER and had insightful discussions with participants. We have produced one working paper, which is currently under review. |
研究課題 | 政府統計ミクロデータを用いた計量経済分析手法の新展開 |
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研究代表者 | 池田欽一(北九州市立大学) |
研究分担者 |
林田実(北九州市立大学)、児玉直美(一橋大学大学院)、宇南山卓(一橋大学経済研究所)、出島敬久(上智大学)、伊藤伸介(中央大学)、佐藤慶一(専修大学)、松浦広明(松蔭大学)、村田磨理子((公財)統計情報研究開発センター)
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成果報告 | 本プロジェクトにおける研究では,「家計調査] の個票データをもとに,深層学習を用いた家計のポートフォリオの予測に関して,機械学習の方法論の適用可能性を追究した。また,「全国消費実態調査 」の個票データを利用して,居住地と不動産の評価額が就業状況に及ぼす影響に関する実証分析を行った。これらの本研究の成果については ,平成28年度研究集会「ミクロデータから見た我が国の社会・経済の実像」(平成29年3月に一橋大学で開催)で公表しただけでなく,一橋大学経済研究所ディスカッション・ペーパー 等で発表する予定である。 |
研究課題 | Is China’s New Normal a Great Recession? Comparative perspective on a century of industrial growth |
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研究代表者 | Eric Girardin(Aix-Marseille University) |
研究分担者 | Harry X. Wu(一橋大学経済研究所) |
成果報告 | In this project, with substantial data work on long-run industrial output and employment data, many of which did not exist, we compared China with Japan and the US on a century of industrial growth to assess China's recent growth slowdown. We empirically explored whether China entered a stage of new normal, returned to the underlying "old normal", or underwent a great recession. We also quantified growth regimes and successfully identified "taking off" periods in China as in Japan and the US, important for understanding the process of catch up. |
研究課題 | 日本の六次産業化と農商工連携による農業ビジネスモデルの評価:台湾農村の地方創成への応用 |
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研究代表者 | 鍾秋悦(屏東科技大学) |
研究分担者 |
北村行伸(一橋大学経済研究所)、丸 健(一橋大学経済研究所)
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成果報告 | 日本における六次産業化に関する先行研究サーベイをおこない,基本的には理論的・概念的な研究と事例研究がほとんどであり,全国規模の調査データによる分析という本研究課題の重要性が確認された。しかし,農林水産省の『六次産業化総合調査』の利用許可がずれ込み,実際にデータを入手できたのが2017年 2月に入ってからであったため,実質的なデータ分析は不可能であった。 2017年度ち引き続き分析を進める予定である。 |
研究課題 | Fiscal Stimulus and Household Consumption in a Deep Recession: Evidence from Japan’s Lost Decade |
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研究代表者 | David E. Weinstein(Columbia University) |
研究分担者 |
Cameron Lapoint(Columbia University)、宇南山卓(一橋大学経済研究所)
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成果報告 |
The motivation of this project is to answer the following question: Are tax rebates more effective at stimulating aggregate demand when they are enacted at the onset or in the middle of a recession? We examine two stimulus tax cuts implemented by the Japanese government in 1994 and 1998. The tax cuts are similar in terms of the aggregate and average payments distributed to working taxpayers, and so our project represents a natural case study for evaluating whether timing relative to the beginning of the recession plays any role in determining the effectiveness of government stimulus policy. Our initial results suggest that the expenditure response to payments from the 1994 stimulus tax cut were economically small. We obtained a marginal propensity to consume (MPC) food of approximately 0.05 upon receipt of the tax cut, and a marginally significant estimate of approximately 0.1 for strictly non-durable goods upon receipt. We also found that the response of durable goods is quite large in real expenditure terms, but that this point estimate ultimately translates to a small MPC of less than 0.1. These findings of a small MPC relative to the MPC out of tax credits of similar aggregate amounts distributed in the U.S. motivate us to consider alternative identification strategies to the Euler equation estimation approach commonly adopted in this literature. We will exploit timing and geographic variation in land price drops over the period 1990-1993 to construct a land price shock, and then document regional heterogeneity in the effectiveness of each stimulus tax cut according to the severity of this price shock. One explanation of our finding of low MPC estimates for the 1994 tax cut is that many of the households receiving a tax cut during this period were "balance sheet" households (Sahm et al. 2016). Balance sheet households attempt to maintain a constant amount of saving and debt payments each month, and thus would have prioritized using the tax cut payments to restore their financial security at the expense of current consumption. We will confirm whether a substantial portion of households fit this description during the first half of the Lost Decade and compute an MPC for this subpopulation. In our immediate future work, we aim to improve our imputed estimate of the 1994 tax credit amounts and obtain results for the consumer response to a similar stimulus tax credit distributed in 1998. To do this we will consult the withholding tax table for local and national income taxes stipulated by the National Tax Agency during this period. |
研究課題 | 日本の所得・貯蓄格差に関する実証分析:税制度、ワーク・ライフ・バランスの視点から |
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研究代表者 | 坂本和靖(群馬大学) |
研究分担者 |
北村行伸(一橋大学経済研究所)、宮崎毅(九州大学大学院)、大野太郎(信州大学)、森田(山本)陽子(名古屋市立大学大学院)
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成果報告 | 平成28年度研究集会「ミクロデータから見た我が国の社会・経済の実像」において、論文"Fiscal Consolidation and Income Inequality: Evidence from Japan"、「女性の就業行動と所得階層移動」を発表し、分析の方法やデ-タ及び新たな分析の視点について有益なコメントを頂いた。また、論文"Tax Reforms, Redistribution and Population Aging: Evidence from Japan"を一橋大学よりDPとして、論文「女性のライフコースと夫婦の所得格差」を名古屋市立大学よりDPとして出版した。 |
研究課題 | バングラデシュ北部河川中洲における最貧困層向けマイクロクレジット効果の研究 |
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研究代表者 | 伊藤成朗(日本貿易振興機構・アジア経済研究所) |
研究分担者 |
黒崎卓(一橋大学経済研究所)、アブー・ションチョイ(日本貿易振興機構・アジア経済研究所)、高橋和志(上智大学)
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成果報告 | 本プロジェクトは先行して情報収集した家計を追跡して最新の情報を収集することを目的としている。本プロジェクトでは、バングラデシュ北部の河川中洲に居住する最貧困層を対象に、少額貸出の効果を探ると同時に経営能力に応じた多様な効果を見出すかを検討している。デザインは以下の通り: 村単位でランダム化を実施して貸出の効果を計るほか、経営支援付与の有無を以て経営能力要件を外生的に変更し、効果の多様性を検定する。現在はデータクリーニング中である。 |
研究課題 | フィリピン長期経済統計の作成と分析 |
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研究代表者 | 神門善久(明治学院大学) |
研究分担者 |
永野善子(神奈川大学)、尾高煌之助(一橋大学)、千葉芳広(北海道医療大学)
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成果報告 | 研究代表者である神門善久が1月にマニラを訪問し、学校教育データなどを収集し、さまざまな系列を 2015年あたりまで延長することが可能となった。あわせて、マニラの諸機関を訪問し、フィリピンからの日本への出稼ぎ労働者に関する歴史的経緯を調査した。研究分担者ち各自でこれまでの作業を再吟味し、基本的なデータ間相互の整合性に要注意であることを確認した。 |
研究課題 | 過剰労働と企業の利益率:日本の製造業における実証分析 |
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研究代表者 | 西岡修一郎(ウェストバージ二ア大学) |
研究分担者 |
深尾京司(一橋大学経済研究所)
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成果報告 | 2016年11月、2017年3月に一橋経済研究所を訪問し、深尾教授と研究の打ち合わせをするとともに、社会科学統計情報研究センターにおいて資料とデータの整備と確認を行った。具体的には、工業統計のテータを使った実証研究の可能性について、利用可能なデータを理解することができた。経済産業省の工業統計の30人以上の労働者を抱える企業のサンプルを使い、企業別の価格指数を計算すること、また、中間財の使用金額を電力、燃料、主要原料に分けた上で、生産関数を推計することができることが分かった。このことによって、企業による製品価格差を反映した生産関数の推計が可能になりそうである。 また、利益率(マークアップ)の違いを生産性、製品価格と品質、限界費用の違いに要因分解すること、過剰雇用の推計もできそうである。ただし、品物別の価格については、2000品目中、800品目ほどしかデータがないことなども分かつた。ミクロデータへのアクセスには、経済産業省への申請などが必要となるため、ミクロデータの実証研究の実施自体は、今回のグラントでは達成できない見通しである。ただし、一橋経済研究所が保有するJIPやKLEMSのデータを使い、産業別の利益率に関する研究は進展し、英語の論文、"Globalization and the Evolution of Markups around the World”を書き上げ、年度末(2017年3月29日)に経済研究所で報告を行うことができた。 |
研究課題 | Cross-stock market spillovers through variance risk premiums and equity flows |
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研究代表者 | Ilhyock Shim(Bank for International Settlements) |
研究分担者 |
杉原慶彦(日本銀行)、服部正純(一橋大学経済研究所)
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成果報告 | 平成28年8月に研究分担者の服部が研究代表者と他の研究分担者が居住する香港に出張して分析の方向性を協議するとともにデータの収集と加工を行った。その後各メンバーが担当箇所の作業を進め、それらの成果を取り纏めた上で平成29年3月に研究会(後述)を開催した。研究会には研究対象の分野に極めて詳しい研究者が多く出席し、研究のモティベーションや推計方法の適切性、データの特性、推計結果の解釈に関する有用なコメントを受けることができた。研究の内容は、株価変動に係るvariance risk premiumの推計と同プレミアムをdiffusion risk premiumとjump risk premiumに分解する推計を新しい手法で行い、これらが米国を拠点とする投資信託を介した資金フローからどれだけの影響を受けているかを分析したものである。リスクプレミアムの推計方法の斬新さのみならず、対象とする株価に新興国の株価を含めた点、そして資金フローの影響を明示的に分析した点が新しい成果であると言える。 |
研究課題 | Land reforms and agricultural productivity in India |
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研究代表者 | Rasyad A. Parinduri(University of Nottingham, Malaysia) |
研究分担者 |
Saumik Paul(一橋大学経済研究所)、黒崎卓(一橋大学経済研究所)
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成果報告 | We have reexamined the effects of land reforms on agricultural productivity in India. First, we have revised our synthetic-control analysis focusing on the effect of 1978 tenancy reform in West Bengal on rice productivity. Under the synthetic control approach, weighted averages of unaffected districts are used as counterfactuals to measure the treatment impact. The revised results are reflected in the working paper mentioned below. We then extended the synthetic-control analysis for the multiple treatment cases. This is because most of 16 major Indian states experienced several episodes of land reforms, comprising tenancy reforms, abolition of intermediaries, ceilings on landholdings, and consolidation of land holdings. The extended methodology has been applied to a few states and the results appear promising. We are currently applying the extended methodology to all major states so that we can answer two research questions: (1) how land reforms varied across states that experienced different colonial institutions, and (2) to what extent the colonial institutions curbed the efficacy of the land reform programs. |
研究課題 | 起業の希望と準備の個人的要因の長期的動向 :1979年~2012年 |
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研究代表者 | 岡室博之(一橋大学大学院) |
研究分担者 |
白川清美(一橋大学経済研究所)、阿部穂日(一橋大学経済研究所)、松田尚子(経済産業研究所)、池内健太(経済産業研究所)、土屋隆一郎(東洋大学)
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成果報告 | 総務省「就業構造基本調査」の1979年調査から2012年調査までの8期分のミクロデータ を用いて、有業者のうち起業を希望する人と準備している人を識別・抽出し、起業の希望と準備の個人・世帯・現職要因を分析し、時間に伴う変化を検証した。分析対象期間中に特に起業希望が大きく減少したが、それには年齢構成・世代の変化が影響していること、また起業希望に対する個人・現職要因の影響力が期聞を通じて低下したことが分かった。 |