近年、年金をはじめとする世代間問題が緊急性の高い重大な社会問題の１つとなっている。本研究の目的は、(1)世代間衡平性について従来の考え方を整理し、その一般化を図りつつ、異時点間にわたる資源の有効配分原理を体系的・包括的に考察すること、(2)年金・医療・雇用の３つの問題に着目し、世代間衡平性に関する研究成果をふまえながら、経済学的アプローチによって世代間問題の諸側面を可能なかぎり包括的に明らかにすること、(3)問題克服のための具体的方法を提言すること、の３つにある

本研究では引退プロセスに関するパネル調査など各種の調査を実施して世代間問題の内実を的確に把握する一方、経済理論を駆使して世代間問題の本質をえぐりだす。そして世代間対立を世代間協調に転換するための具体的アイデアを提示したい