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論文要旨

Vol. 66, No. 1, pp. 1-18 (2015)

『一般化したRealized Stochastic Volatilityモデルの推定 —Nikkei 225収益率・実現ボラティリティの暦効果への応用—』
石原 庸博 (一橋大学大学院経済学研究科)

実現ボラティリティを導入した確率的ボラティリティ変動 (Realized Stochastic Volatility, RSV) モデルのマルコフ連鎖モンテカルロ法のアルゴリズムの一つであるmixture samplerを用いた推定法を提案する.収益率と実現ボラティリティ測定値の観測誤差の相関と回帰の構造を導入し,これまで提案されてきたRSVモデルを含む一般的なモデルに対してmixture samplerを議論する.先行研究をサーベイし,提案したモデルとの関係を議論する.分析例として日経平均(Nikkei 225)の日次終値収益率とその実現ボラティリティ測定値に応用し,複数の種類の実現ボラティリティ測定値を導入した場合も含んだ暦効果の検証の例を示す.特に曜日効果はボラティリティの潜在変数と実現ボラティリティとの間で異なった振る舞いをすることがわかった.