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論文要旨

Vol. 64, No. 1, pp. 30-41 (2013)

『東アジアの経済成長と教育ストック』
神門 善久 (明治学院大学経済学部)

東アジアの奇跡的な経済成長の成功要因として、学校教育を通じた人的資本の蓄積が適切におこなわれたからではないかという議論がしばしば聞かれる。しかしながら、従来、教育ストックについては、国際比較可能な長期時系列データが不足しており、本格的な実証分析はおこなわれてこなかった。本稿では、今後の実証分析の基礎を提供するべく、日本、韓国、台湾、フィリピン、米国を対象に、過去約百年間にわたり、年齢層別、男女別、教育段階(初等・中等・高等別)に平均就学年数の推計をおこなう。あわせて、Hayami and Godo(2005)の枠組みを使って、発展段階によって必要とされる教育ストックの種類がどのように変化するかについて、筆者の仮説を提示する。