統計データの質を決定する要因はいくつかあるが、その中で、ともすれば見逃されがちなのは、統計調査の実務に携わる人々の資質であろう。本稿は、明治30年代以降に地方官庁によって実施された統計講習会について調べることを通じ、この点をあたう限り具体的に描き出すことを目的とする。『統計集誌』の記事および福島県行政文書などの資料から 判明する事実の大要は、以下の通りである。