一橋大学経済研究所が編集する経済研究から、「不動産市場とマクロ経済」と題する特集号を刊行しました。Geltner-清水論文、清水-唐渡論文、内田他論文、祝迫他論文、植杉他論文の5本が所収されています。最初の2本の論文は、物件間の異質性が強い商業用・住宅用不動産における価格計測の問題を扱っています。内田他論文と植杉他論文は、企業の資金調達における不動産の役割に注目して、借り手側の企業が保有する担保不動産の価値変動の効果に注目する「担保チャンネル」と、貸し手側の銀行が受ける不動産価格の変化の効果に注目する「銀行貸出チャンネル」の存在の有無・程度をそれぞれ検証しています。祝迫他論文は、家計の資産選択において不動産所有が果たす役割に注目しています。不動産価格の計測、企業の資金調達や家計の資産選択における不動産の役割は、HIT-REFINDにおける主要研究課題であり、今後もメンバーが着実に研究を進めます。