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経済統計ワークショップ/CFEEセミナー

日時 2026年4月10日(金) 17:20-18:20
場所 西キャンパス別館2階職員集会室
講演者 渡部敏明(一橋大学・ソーシャル・データサイエンス研究科)
演題 マルコフ連鎖モンテカルロ法と確率的ボラティリティ変動モデル
概要 本報告ではマルコフ連鎖モンテカルロ法(Markov Chain Monte Carlo; MCMC)とファイナンスで重要な確率的ボラティリティ変動(Stochastic Volatility; SV)モデルを中心に私がこれまでに行ってきた研究を紹介する。まず、Watanabe and Omori(2004)で提案したBlock Samplerと呼ばれるボラティリティの効率的なサンプリング法を用いたSVモデルのベイズ推定法について説明する。次に、株式市場では、株価が下がった日の翌日にボラティリティが上昇する傾向があり、この現象は「ボラティリティの非対称性」あるいは「レバレッジ」と呼ばれ、この現象を考慮してSVモデルを拡張したモデルに非対称SV(Asymmetric SV; ASV)モデルがある。Omori and Watanabe(2008)では、ASVモデルのBlock Samplerを用いたベイズ推定法を提案しており、これについても説明する。ボラティリティの推定量として、近年では、高頻度の資産価格を用いて計算する実現ボラティリティ(Realized Volatility; RV)が用いられる。しかし、RVにはマイクロストラクチャノイズや夜間や昼休みなど取引のない時間帯によってバイアスが生じる。Takahashi, Omori and Watanabe(2009)では、こうしたRVのバイアスを考慮に入れて日次リターンと日次RVを同時に定式化する実現確率的ボラティリティ変動(Realized Stochastic Volatility; RSV)モデルとそのBlock Samplerを用いたベイズ推定法を提案している。また、Takahashi, Watanabe and Omori(2011)はRSVモデルにおいて基準化した日次リターンの分布を標準正規分布からGH skew-t分布に、Takahashi, Yamauchi, Watanabe and Omori(2026)はGH skew-t分布を含む3種類の異なるskew-t分布に拡張し、Watanabe and Nakajima(2024)ではRSVモデルを日中のボラティリティ変動を表すモデルに拡張している。そこで、それらのモデルや推定法についても説明する。さらに、Nakajima, Kasuya and Watanabe (2011) では時変VARモデルに、Watanabe (2025) ではマルコフ転換モデルに、SVモデルとBlock Samplerを応用しており、こうしたマクロ計量モデルへの応用についても説明する。
言語 日本語
幹事 本田敏雄 [経済学研究科]