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年金用語解説 PENSION GLOSSARY

年金改革法(2004年6月成立)の主要内容

保険料水準の固定

厚生年金の保険料は2008年9月時点で15.35%。それを毎年9月時点で0.354ポイントずつ引き上げ、17年9月以降18.30%で固定。08年4月時点で1人月額1万4410円の国民年金保険料も05年4月以降、毎年280円(月額)ずつ引き上げ、17年4月以降、1万6900円(04年価格)で長期固定。毎年の引き上げ額280円は賃金の伸びに連動させて改定。これを保険料水準固定方式と呼ぶ。

保険料固定方式

年金保険料を今後、毎年小刻みに引き上げていき、将来どこまで引き上げるのかをあらかじめ法律で決めておくこと。固定されるのは毎年の引き上げ幅とピーク時の保険料。

マクロ経済スライドの導入

給付水準を調整するための新しい考え方。マクロ経済には直接関係しない。むしろ人口要因スライドの性格をもつ。すなわち04年以降の20年間に予想される人口要因の変化(公的年金加入者数の減少と65歳時平均余命の伸び)を考慮する。人口要因の変化率は年平均0.9%と見込まれており、その分だけ給付額が毎年、実質的に目減りしていく。ただ、物価が下がらない限り、給付の名目額は引き下げない。

給付水準固定方式への切りかえ

厚生年金におけるモデル年金の水準(2009年時点で62%強)を将来50%で固定し、それ以下には引き下げない。ただ、この水準固定は65歳時点に限る。66歳以降、モデル年金水準は徐々に低下し、85歳超になると40%強になる。65歳時点におけるモデル年金の水準が50%まで下がった時点(政府の基本シナリオによると2038年度)でマクロ経済スライドは廃止する。

国庫負担割合の引き上げ

基礎年金の国庫負担割合は従来3分の1であった。その引き上げに04年度から着手し、09年度中に2分の1まで引き上げる。

在職老齢年金の変更

60歳代前半層に適用される在職老齢年金の一律2割減額制度を廃止する(05年4月実施)。他方、70以上で高額の給与を稼ぐ人(給与と報酬比例年金の合計額が月額換算で48万円超)について報酬比例年金を減額する制度を新設する(07年4月実施)。

報酬比例年金の繰り下げ受給

00(平成12)年の改正で廃止された報酬比例年金の繰り下げ受給制度を復活(07年4月実施)。

離婚時の年金分割

07年4月以降に離婚すると、報酬比例年金の受給権を夫婦間で分割することが可能。婚姻期間中に発生した受給権のすべてが最大で夫婦それぞれ2分の1まで分割可能。

遺族年金の見直し

18歳未満の子供がいない30歳未満の遺族配偶者が受給する遺族年金(報酬比例部分)の受給期間を5年間に限定(07年4月実施)。

育児支援策の拡充

育児休業期間中は年金保険料負担が免除される。この免除期間を、子供が1歳になるまでから 3歳になるまでに延長。なお年金給付算定上、この間の賃金は育児休業直前の賃金を使用。さらに育児のための短時間勤務による賃金低下については子供が3歳になるまで賃金低下がなかったとみなして年金給付を算定(05年4月実施)。この間の保険料は低下した賃金に賦課される。

障害年金の改善

障害を持つ人が就労して年金保険料を納めると、障害基礎年金にくわえて老齢年金または遺族年金(いずれも報酬比例部分)も受給することが可能となる(06年4月実施)。1人1年金の原則に例外を設ける。

保険料の多段階免除

国民年金加入者には低所得を理由とする保険料負担の免除が認められている。全額免除と半額免除にくわえて06年7月から4分の1免除と4分の3免除を新設。保険料免除となっても国庫負担分は減額されない。

若年者納付猶予制度

学生に認めている納付猶予制度を30歳未満の学生以外の若者にも2015(平成27)年6月までの時限措置として広げるもの。世帯主の所得の大小にかかわらず、本人と配偶者の所得が全額免除基準を満たせば、保険料の後払いを認める。05年4月実施。

単身者世帯の免除基準の緩和

全額免除の所得上限を年間所得(収入から必要経費を控除した後の金額)35万円から57万円(年収で約122万円)に、半額免除は年間所得85万円から141万円(同227万円)にそれぞれ引き上げる(05年4月実施)。

年金個人情報の定期的通知(ねんきん定期便)

年金受給額はこれまで55歳になるまで本人には分からなかった。55歳以上になり年金手帳を持参して社会保険事務所に相談にいくと、年金の見込み額を教えてくれる。年金個人情報(保険料の納付実績や年金見込み額など)は09年4月から毎年本人に通知。

第3号被保険者の救済

全額免除の所得上限を年間所得(収入から必要経費を控除した後の金額)35万円から57万円(年収で約122万円)に、半額免除は年間所得85万円から141万円(同227万円)にそれぞれ引き上げる(05年4月実施)。

任意加入期間の延長

非給与所得者が国民年金保険料を25年以上納付するために認められている任意加入期間は65歳まで。この期間を70歳まで延長(05年4月実施。1955年4月2日から1965年4月1日までに生まれた人のみ)。

年金不受給の申出

年金受給権者が不受給の申出をすると、国は支給を停止できる(07年4月実施)。

グリーンピア・年金住宅融資の廃止

グリーンピア事業や年金住宅融資は05年度までに廃止される。

厚生年金基金関係の改正項目

免除保険料率の上限を5.0%に引き上げ。また基金解散のさいの積立金移管額について3年間に限り特例を認める一方、原則5年以内の分割納付も容認(05年4月実施)。

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