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オピニオン

●「ヘルシンキ便り(10)」2009年8月24日

 ヘルシンキは8月13日から30日までヘルシンキ・フェステイバルが開催されており、芸術、エンターティンメントの催し物が連日開催されています。我々も、ヘルシンキ滞在中にいくつかのコンサートに行きました。簡単にまとめてみます。

 (1)「Ensemble Intercontemporain」、Temppeliaukion kirkko (テンペリアウキオ教会) 8月13日午後7時半開演。これは、Bruno Mantovaninoの『Le Sette chiese』(2002)とPierre Boulezの『Derive 2』(1988-2006)という2つの現代音楽の演奏会でした。Boulez氏の作品は本人が指揮をし、もう一つのMantovaninoの作品はフィンランド現代音楽の指揮者として頭角を表している Susanna Malkki女史が指揮しました。

 これはヘルシンキ・フェスティヴァルの初日の出し物で、フランスからブーレィズ(Boulez)がわざわざ指揮をしに来るということと、ヘルシンキで最も有名な石造りの教会で行われるコンサートということで興味津々に聞きに行きました。後日、こちらのTVでブーレィズおよび現代音楽に関するドキュメンタリーをやっていたように、現代音楽に関する理解や関心はかなり高いようでした、ちなみに、フィンランドは現代音楽の作曲が最も活発に行われている国だそうです。

 (2)モーツアルト作曲オペラ『Cosi Fan Tutte』、国立オペラ座8月18日午後7時 開演。これは舞台設定を1930年代の軍人とその恋人というモダンな設定にした演出でしたが、これは分かり易く、いい演出だと思いました。

 (3)モーツアルト作曲オペラ『フィガロの結婚』、国立オペラ座8月19日午後7時開演。これはクラシックな設定でした。演出が適切で、モーツアルトの音楽に併せた掛け合いの妙が上手く生かされていたように思います。ケルビーノ(Cherubino)役の若い女性歌手(Rikka Rantanen)が大変よかったです。

 (4)ロンドン・フィルハーモニア・オーケストラ演奏、フィンランディアホール8月22日午後7時半開演。Kaija Saariahoの『Lumiere et pesanteur』(2009)(現代音楽)、Jean Sibelius『Violin contcerto in D Minor op.47』、バイオリンの独奏はLeila Josefowiczという若手の女性バイオリニスト。Gustav Mahler『Symphony No.6 in A Minor “The Tragic”』の3曲を聴きました。どれもいい演奏でしたが、マーラーの6番は繰り出される様々な楽器とその演奏方法を聴いているだけでも楽しめました。

その他、8月21日は「芸術の夜」(Night of the Arts)と称して街中のあちこちで、無料のコンサートや演劇、詩の朗読や映画などをやっていました。私たちは、日本で言えば山車というのでしょうか、フランスから来た巨大な風船の出し物を操るパレードを元老院広場の教会の石段に腰をかけて見ました。詳しく説明はできませんが写真を見て下さい。

北村行伸@ヘルシンキ

 

ヘルシンキ・フェスティバルの風船水族館(左)とシベリウス公園のモニュメントにて(右)  helsinki10-1  helsinki10-2