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論文要旨

Vol. 68, No. 3, pp. 237-249 (2017)

『時変多変量自己回帰モデルを用いた日本の輸出量の計量分析』
中島 上智 (国際決済銀行), 渡部 敏明 (一橋大学経済研究所)

輸出量は為替レートや海外経済の変動に影響を受け,その影響度合いは時期によって異なる可能性がある.本稿では,時変多変量自己回帰(Time-varying parameter VAR)モデルを用いて,日本の実質輸出の変動について構造変化を考慮した定量的な分析を行う.実証分析の結果,為替レートや海外経済が日本の実質輸出に与える影響度は時期によって相応に異なり,2013年からの今次景気回復局面では,日本の実質輸出に対して為替レートの影響度が低下する一方,海外経済の影響度が高まっていることが示唆される.