本論文では,日米中3国の株式市場をめぐって,通常の線形共和分関係及び非線形共和分関係の有無といった長期的な観点から,国際間の株価の連動性について検証を試みる。2つの国の株価が,短期的にある安定的な関係から非線形的に乖離する動きがあったとしても,それが長期的には安定的な関係に戻るならば,それは非線形の共和分関係にあるとする。具体的には,株価比率にバブルの発生・膨脹・崩壊のプロセスが内包されるとして,それを統計的なモデルとして定式化し,関係するパラメータをBayesian流に推計する。実証結果としては,日米,日中,米中の2国間株価指数同士には,通常の線形共和分関係は認められないが,確かにバブル型非線形性が認められ、したがって、長期の連動性が検証されたと解釈される。