社会的に望ましい所得再分配政策は、どの程度の税率になるのだろうか? 現在の日本経済において、最適な所得再分配政策あるいはそれに近い状態は達成されているのであろうか? これらの疑問に対して、投票行動を含む動学的一般均衡モデルを用いて、政治経済的競争均衡に注目して日本経済を分析した。最適所得再分配税率は約15%である一方、政治経済的均衡では約42%と大きな乖離が生じ、大きな厚生損失が生じる事が明らかとなった。