本稿は国際貿易や国際資本移動の飛躍的な拡大によって特徴づけられるグローバル化の国際景気変動に与える影響を、国際動学的一般均衡モデルを用いて分析する。モデルは、日米欧を対象とした3国モデルであり、経済規模格差を反映している。
本稿の主要な結論は以下の通りである。第一に、モデル経済は国際景気変動の基本的な特徴を捉えることに成功している。第二に、国際的な景気の連動性は、技術ショックだけではなく、選好ショックもモデルに織り込むことで再現される。特に日米間、日欧間の産出や消費の連動性を、本稿のモデル経済は再現することに成功しており、いわゆる消費相関パズルも解決されている。第三に、シミュレーションの結果、経済のグローバル化が景気変動の連動性に与える影響は、数量的にあまり大きくない。