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論文要旨

Vol. 51, No. 4, pp. 301-310 (2000)

『日本の年金政策』
高山 憲之 (一橋大学経済研究所)

日本の年金制度について、その沿革と推移に言及した後、①インセンティブ・コンパティビリティ問題に対応するためには基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるだけでは上十分なこと、②所要年金財源の調達にさいしては年金保険料の引き上げよりも増税の方が望ましいこと、③ただちに基礎年金の税方式化(年金目的消費税の導入)と4%掛金建て私的年金の導入をワンセットで実施すれば移行時の「二重の負担」を避けうること、④公的年金給付をさらにスリムにし、他方で私的年金をいっそう奨励する必要があること、等について議論した。