フイールド調査から(3-0)

ネコのいるミャンマー農村

黒崎 卓

Last revision: October 11, 2001


 2000年8月からミャンマー農村調査に関わっている。これまでのインド世界から一歩踏み出したミャンマーは、東南アジアそのものに感じられた。食べ物が胃にやさしく、うまいこと、ネコがたくさんいて皆かわいいことなど、インドやパキスタン農村に比べてミャンマー農村はすごしやすい側面がある。でもややもするとインド世界とのつながりを探してしまったり、マサーラの効いた緊張感あふれる南アジア農村を懐かしく思い出したりしてしまう私のミャンマー経験が続いている。

ミャンマーの働く農民と牛

下ミャンマーの稲作農村

シャン州インレー湖の浮畑農村

シャン州野菜作農村


 2002年9月の調査では、インド国境に近いチン州を訪問。ここは山岳地帯なので9月はもうかなり冷え込む。農家の暖炉の暖かい灰でぬくもりをとるこの家のネコ。この家のイヌも脇でそれを見守る。平野部の毛足の短いネコ、イヌとはちがい、チンのネコやイヌは、毛の生え方もふさふさしていた。

 こんな風に毛並みのいいネコが屋敷でかわいがられている風景は、ネコ好きの私にはたまらない。下ミャンマーはミャウンマー郡の稲作農村の豪農の家のネコは、喉をなでるとごろごろ。この豪農の家には巨大な米倉があるので、ネコにもちゃんと実利的な役割がある。

 マグウエ管区の乾いた空気の中、茶屋の後ろでなごんでいたトラネコの母子。この柄は素晴らしい。ミャンマーの働く農民と牛のページで写真を紹介している乾いたゴマ・キマメ畑のそばの風景。

 この威厳ある母ネコは、シャン州インレー湖の浮畑農村の村長の家に住んでいる。たくさんの子ねこの面倒に忙しい。

 そして子ネコはこんな具合に幸せな空気を回りに広げてくれる。


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