1.設立経緯と活動目的

「ロシア研究センター」(Russian Research Center: RRC)は,国立大学法人化後一橋大学が積極的に推進している産学連携活動の一環として,トヨタ自動車株式会社からの研究委託を契機に,2007年11月1日に一橋大学経済研究所内に設置された付属研究機関です.経済研究所は第二次大戦後以来,我が国における社会主義計画経済体制の中心的研究拠点であり,1989年のベルリンの壁崩壊を契機とする旧共産主義圏の経済システム転換過程に関する理論的・実証的研究の分野においても,日本の研究活動を常にリードする存在として広く認知されています.無論その中心的な研究対象が,ソビエト連邦の中核であった現ロシア連邦であることは強調するまでもありません.「ロシア研究センター」は,このようにして培われた知の集積と,国内・外の学術研究組織及び研究者との緊密なネットワークを活かして,経済研究所におけるロシア経済研究のより一層の発展と,ロシアに進出したないしは現在進出を計画している日本企業への学術的支援を介した産業界と経済研究所の連携・協力関係の深化を,その活動の主要目的に掲げています.

2.組織と現在の活動内容

「ロシア研究センター」は,現在,経済研究所所長をセンター長,米・欧・ロシア経済研究部門教授をセンター主任,米・欧・ロシア経済研究部門及び経済体制研究部門の准教授2名をセンター研究員とする計4名の研究所スタッフ,並びに当学社会学研究科教授,研究所特任教授,並びに学外の研究者・学識経験者計5名の研究協力者から成る陣容で運営されています.平成19年度の研究テーマは「ロシアの自動車産業政策」であり,そのために,政府中期経済政策・経済予測の研究,ロシア政府関係者や同分野の専門家を対象としたインタビュー調査や関連文献の渉猟を進めました.平成20年度以降は研究範囲を更に拡張し,(1)法制度を含む連邦政府の産業政策実施体系,(2)メドベージェフ・プーチン双頭体制下における政財界の関係,(3)自動車関連市場の産業構造,(4)政府の人口・労働力対策,(5)WTO加盟を含めたロシア経済のグローバリゼーション化問題,(6)労働組合と外資系企業の関係等に関する調査も実施する計画です.