本稿はロシアにおける地域間人口移動の要因分析を行ったものである.ソ連崩壊前とその後との明瞭な人口移動パターンの変化について論じたのち,入手することの出来た1990年から2013年の地域間人口移動行列というロシア連邦統計局内部資料を用いて分析した.地域経済変数,すなわち資源開発地域の誘因等を導入して検討を行ったが,中でもソ連崩壊得と崩壊後とでは政府投資の地域間人口移動パターンに対する影響の顕著な変化が確認されたことを特筆出来よう.