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論文要旨

Vol. 60, No. 4, pp. 331-337 (2009)

『『経済研究』に見る社会主義経済システムの崩壊と資本主義経済化』
田畑 伸一郎 (北海道大学スラブ研究センター)

1980年以降の『経済研究』に掲載された論考のなかで,ソ連(ロシア)・東欧諸国における社会主義経済システムの崩壊とその後の資本主義経済化がどのように分析されているのかを振り返る.社会主義経済システムの崩壊については,社会主義経済システムの改革の試みが資本主義経済システムの導入という方向に変わっていく過程の分析が興味深い.資本主義経済化については,制度的改革の面で,とくにロシアにおける私有化の問題点が鋭く分析されていることが注目される.産業構造転換と経済成長の再開という面では,ロシア経済の石油・ガス依存の高まりに関する統計分析が特筆される.