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論文要旨

Vol. 59, No. 4, pp. 330-339 (2008)

『出生行動における若年者の労働市場と公共政策の役割―市町村パネルデータによる計量分析―』
小椋 正立 (法政大学エイジング総合研究所,法政大学経済学部), 角田 保 (大東文化大学経済学部)

本論文では合計特殊出生率の代理変数として,重みつき出生率Indexを人口動態統計と国勢調査から作成した.そしてこの重みつき出生率を従属変数として出生率の推計を行った.推計結果としてはまず,2000年以降徐々に子供への選好が弱まってきているということがいえる.そしてこの2000年から2005年の間の出生率の低下は,女性の労働市場への進出と,若年男性の労働市場の不安定性という労働市場の要因から来ているものである.また,市町村レベルデータを用いたことによって,サンプルサイズ・正確性の点でより優位であると考えられる.