HOME » 刊行物 » 経済研究

論文要旨

Vol. 59, No. 2, pp. 139-152 (2008)

『政府統計の個票利用と統計法改正―試行的提供の経験を踏まえて―』
山口 幸三 (一橋大学経済研究所附属社会科学統計情報研究センター)

我が国の政府統計は,国際的にも高い水準であると評価されているが,個票データの利用については,欧米諸国から遅れていると言われている.個票データの利用が進まないのは,統計法において利用に厳しい制限があるためである.その問題に対して,様々な提言や取組みがなされてきており,その具体的な取組みの一つが政府統計ミクロデータの試行的提供である.本稿は,試行的提供がこの問題にどのように対応したか,どのような意味を持ったかを考察したものである.また,平成19年5月に改正された統計法の下での個票データ利用上の問題を推察するとともに,個票データの利用において今後考えるべき課題を提示した.