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論文要旨

Vol. 58, No. 3, pp. 217-230 (2007)

『資本構成と株式リターン』
本多 俊毅 (一橋大学大学院国際企業戦略研究科), 八並 純子 (一橋大学大学院国際企業戦略研究科大学院生)

企業の最適資本構成モデルを用いて,株式期待収益率と企業の資本構成の関係を分析する.Berkによって指摘された企業規模効果は,企業の負債によってその影響が小さくなる可能性がある.また,B/Eと時価総額対総資本比率によって決まる倒産可能性を示す変数は,株式期待収益率に影響する.したがって,実証分析でよく用いられるFama-Frenchモデルのファクターは,企業の資本構成と密接な関係にあることがわかる.日本の株式市場データと企業財務データを用いて検討したところ,理論的モデルによる予想の一部を確認することができた.