HOME » 刊行物 » 経済研究

論文要旨

Vol. 57, No. 3, pp. 236-244 (2006)

『チャネル間における価格―数量競争』
成生 達彦 (京都大学大学院経済学研究科), 鈴木 浩孝 (京都大学大学院経済学研究科大学院生)

本稿では,生産者と小売業者からなるチャネルの間での価格―数量競争について検討する.生産者間では価格競争が行われているが,小売業者の間では数量競争が行われている状況を想定する.このとき,仮に生産者が小売業者からフランチャイズ料を徴収可能ならば,(逆需要曲線の上方シフトという意味での)需要の増加は出荷価格の下落を導くし,出荷価格は戦略的に代替的となる.他方,何らかの理由によってフランチャイズ料を徴収できない場合には,需要の増加は出荷価格の上昇を導くし,出荷価格は戦略的に補完的である.