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論文要旨

Vol. 56, No. 2, pp. 149-161 (2005)

『メインバンク・ガバナンスと「追い貸し」』
小幡 績 (慶應義塾大学大学院経営管理研究科・ビジネススクール), 坂井 功治 (一橋大学大学院経済研究科大学院生)

いわゆる「追い貸し」について,本稿では,明らかに非効率的な融資と思われる「追い貸し」に絞って分析を行い,メインバンクが「追い貸し」を行う要因の解明を試みた.結果は,メインバンクの経営危機に陥った企業に対する融資額が大きい場合には「追い貸し」を行う可能性が高く,メインバンクの財務的な状況は関係がなく,また,安定的なメインバンク関係は「追い貸し」につながるわけではなく,むしろ,メイン争いを複数の銀行が行った場合において,「追い貸し」が起こる,というものであった.