ごみ拾い人とごみ集荷人はデリーにおける廃品回収業の最下層を構成している.ごみ拾い人は公園や道路といった公共の場からごみを拾い,ごみ集荷人は家庭や企業からごみを買取り,それを業者に卸すことで生計を立てている.ごみ拾い人の多くは貧困ライン以下の,ごみ集荷人はそれよりわずかに上の生活を送っている.ごみ集荷人や上位の流通業者間では,相互扶助の共同体的メカニズムが働いているが,そのような共同体に参入するための伝手を持たないごみ拾い人は恒常的な貧困に囚われている.その貧しさに関わらず,彼らの社会的貢献は大きい.彼らは,市が必要としたであろうごみ処理費用を削減し,またごみ排出者へ所得をもたらしている.