本調査の主要なテーマは，最近のロシア経済成長の新たな波と産業構造とを統計的に明らかにし，ロシア経済の石油・ガス依存から多様化への移行可能性を探るための準備的考察を行うことである．まず，この数年間のロシア経済の動向を観察し，長期経路上に位置づける．次に，産業構造の特異性の統計的捕捉に関して，最新のデータを用いてアップデートし，石油・ガス依存の産業構造にメスを入れる．商業の比重については，長期経路が初めて明らかにされる．さらに，特異性をもたらす要因である石油・ガスの内外価格差と商業マージン形成について改めて再検討した結果を示す．最後に，物的部門とサービス部門の相互連関についての産業連関分析の結果を提示する．
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