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論文要旨

Vol. 53, No. 4, pp. 348-350 (2002)

『全国物価統計調査の算式について―宇南山論文へのコメント―』
美添 泰人 (青山学院大学経済学部)

全国物価統計調査における地域差物価指数の算式に関して、宇南山(2002)は、全地域の地域差物価指数が地域全体の平均指数を上回るという「平均値不整合性」が発生することを指摘し、それを解決する新たな指数を提案している。本稿では、現行の平均価格算式を前提として、平均値不整合性が発生しない地域差指数の算式を導出することも可能であることを示している。その算式は現行の加重調和平均と統一的な解釈を可能とし、従来の指数との継続性を維持しながら平均値不整合性を排除することができるものである。