本稿では1987年の労働運動を前後とした韓国の労働組合が賃金に及ぼす影響を企業規模別に分析した。分析結果から、まず、労働組合の賃金上昇効果は企業規模によって異なることが明らかになった。この結果から、韓国や日本のように労働組合が企業別に組織されている場合は、労働組合の賃金効果を正確に捉えるためには規模別に分けて分析することが望ましいことが確認できた。そして、労働組合の賃金効果を要因分解した結果、男性は労働組合の有無による賃金格差と個人属性の変化、女性は係数変化の差を通じて賃金が上昇していることが分かった。さらに、個人属性を分化した結果によれば、労働組合は労働者の勤続年数を増加させている。最後に賃金分布や賃金プロファイルの傾斜で労働組合の賃金平等かを考察した結果、男性においては労働組合の賃金平等か効果が見られたが、女性においては見られなかった。