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論文要旨

Vol. 52, No. 1, pp. 16-30 (2001)

『日本の財政政策―公共投資の評価―』
井堀 利宏 (東京大学大学院経済学研究科/経済学部), 川出 真清 (東京大学大学院経済学研究科)

本稿は戦後日本の財政政策について、主として公共投資のメリットとコストを対象として、包括的な評価を試みている。まず第1節では、戦後の財政運営を大雑把に振り返ることで、財政政策に関するマクロ的議論をサーベイしている。ここでの中心的な分析課題は公共投資の乗数効果を重視するケインズ的な景気調整機能である。第2節では、政府支出(政府消費と公共投資)を取り上げてその将来に及ぼす効果を比較検討する。また、第3る財政赤字を取り上げて、節では、90年代以降累積的に増大してい既得権化した公共事業の削減が容易に進まない政治経済学的な要因を分析する。