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論文要旨

Vol. 51, No. 3, pp. 220-231 (2000)

『貧困世帯の現状―日英比較―』
小川 浩 (関東学園大学経済学部)

本稿では(設問1)生活保護世帯は本当に日本の貧困世帯を代表していると言えるのか、(設問2)貧困ギャップ比率で見た場合に、日本の貧困の状態はど のように変化しているのか、(設問3)「貧困のわな」に捕らえられて生活保 護が固定化していないか、の3点について「国民生活基礎調査」を主たるデータとして計測を行い、
1.捕捉率が世帯構造によって大きく異なるため被保護世帯がそのまま一定所得以下の人々を代表しているとして扱うことには無理がある。
2.わが国では貧困がごく一部の層に集中し、かつ深刻化している可能性が高い。
3.わが国では、1976年と1994年を比較する限り、生活保護世帯は固定化してきるという結論を得た。