東アジア諸国の経済情勢については、大野・桜井(1997)、谷内(1997)や経済企画庁調査局が1995年以来毎年公刊しているアジア経済に関する報告書(最新刊のタイトルは、「アジア経済1998」)が適切である。また同地区の経済発展の要因を考察したものとしては、本文中で紹介した世界銀行(1993)の他、青木・金・奥野(1997)がある。

 


 

 以下の韓国の叙述に関しては、U(1993)、深川(1997)を参考にしている。韓国経済の発展についてより詳しく知りたい場合は、両書を参照されたい。

 


 

 タイの経済発展に関する分析については、新谷(1993)を参照されたい。また最近の経済危機に関しては、日本開発銀行(1998)及び奥田(1998)が適切な情報を提供している。

 


 

 この調査係数θは、均衡為替レート及び両国の実質金利についての確率分布を既知とする合理的期待モデルから導出することが出来る。詳しくは、深尾(1983)を参照されたい。

 


 

 本稿は、小国を仮定ししているため交易条件を外生変数として捉えている。もし二国モデルであれば、交易条件も内生化されなくてはならない。また非貿易財と輸入財が不完全な代替財である場合、交易条件の変化が実質為替レートに及ぼす影響は、非貿易財と輸入財に関するアレン・宇澤の代替弾力性に依存する。この点に関しては、徳井・宮川(1995)を参照されたい。

 


 

 日本の産業は、鉄鋼、非鉄金属が一次金属として一つにまとめられているため、日韓レートに関しては繊維、一次金属、金属製品、一般機械、電気機械、輸送機械、精密機械の7産業となっている。

 


 

 日本、韓国、タイの原材料投入係数に関しては、1972年−95年間のすべての暦年におけるデータが利用できるわけではない。このような場合、利用可能なデータを用いて、線形補完により作成したデータを用いている。

 


 

 (8)式における日本の輸入財物価については、日本銀行『物価指数年報』より、1990年を100とする燃料・動力輸入物価指数を用いた。

 


 

 ちなみに、韓国の1977年、タイの1986年における経常収支(輸出−輸入)はいずれも赤字であったが、それらは対GDP比でそれぞれ2.04%、0.7%であった(出所:IMF, International Financial Statistics)。