表3 北朝鮮の穀物生産,消費

A.穀物総生産, B.穀物総生産, C.1人当たり D.純輸入 E.1人1日当り
公式発表値(千 t) 推計値(千 t) 穀物生産(kg) (千 t) 消費(g)
 1936    2,367 294    
1937   2,902 357    
1938   2,634 320 -659 756
1939   2,407 289    
1940   2,343 278    
1941   2,145 250    
1942   1,853 211    
1943   2,023 225    
1944   2,277 248    
1946 1,898 1,898 205    
1957 3,201 2,982 319    
1960 3,803 2,781 263    
1965 4,526  2,700-3,600 220-290 187 640-850
1975 7,710  4,300-4,800 280-310 -239 720-810
1979 9,000  4,500-5,600 250-310 -124 670-840
1984 10,000  5,500-5,900 280-300 0 780-830
1988   5,400 260 455 770
1996   3,690 154 1,060 540

(注および出所) 空欄は該当データなし,または未計算,B欄は粗穀ベースx0.9によって精穀ベースとした(1946-60年については,原統計ベースが粗穀か精穀か不明のため原数値のまま). 穀物は米,麦,トウモロコシその他の雑穀を含むが,薯類は含まない(ただし,A欄の公式発表値の内容は不明).

 A,B欄の数値は,国土統一院(各年),金,高(1992),朝鮮銀行調査部(1948),中央統計局(1961),石川(1980),報道資料(読売新聞,1997年1月18日,日本経済新聞,1997年3月21日)による.C欄は,前掲の表1および上の報道資料の人口数(1996年,24,000千人−筆者推計)を用いて計算した.D欄の1965年以後の数値は後掲の表9による.同1938年は筆者推計.その方法は以下のとおりである.

 『昭和15年 朝鮮米穀要覧』(朝鮮総督府)にもとづいて,現北朝鮮領域からの米の対日輸出量を計算する.そのさい,黄海,平安北,江原の各道に位置する港からの同輸出量の半分を北で生産されたものとみなした(菱本 1938,491頁に記載のデータを参考にした).大豆の輸出,要の輸入については,『昭和13年 朝鮮貿易年表』(朝鮮総督府),『昭和15年 農業統計表』(同),大川,東畑(1939)を参照し,仁川港からの大豆輸出量の20%,同港への満州粟輸入量の60%を北朝鮮の分として計算した.当時,米が南から北へ,大豆が北から南へ販売されたが,こうした南北間の国内交易は調整していない.

 E欄の1938年の数値は,1937年の生産量プラス1938年の純輸入,その他の年の数値は,各年の生産量プラス同年の純輸入を基礎に計算した.いずれも1ケタ切捨て.