A.解説



W.計数表の解釈

1.人口(表1表2

人口データは年間の平均人口でその計算は次の通りである。


      平均人口 =(年頭人口 + 年末人口)÷ 2


年頭人口と年末人口は人口調査(北部は1974年、南部は1976年、全国は1979及び1989年)、出入国資料と戸籍資料によって推計された。

2.就業労働者(表3

国民経済に労働参加している全社会人で就労年齢者(男子16〜60歳、女子16〜55歳)だけでなく、実際に労働に参加している55歳以上(女性)あるいは60歳以上(男性)の人、また16歳未満の人も含まれいる。ただし、資料の制約で1976〜1984年のデータは就労年齢者のみである。

3.工業生産額の構成(表4

固定価格ベースである。経常価格の資料はない。

4.輸出入総金額(表6

ベトナムは1991年まで旧コメコン諸国との貿易はルーブル、それ以外の地域との貿易はドルで決済された。従来の貿易データはその2つの単純合計として出されて、単位もルーブル・ドルという異様なものであった。表6ではそのようなデータも表示されているが、同時にドル決済の貿易データも出されている。92年以降、すべての地域との貿易はドル決済になった。

5.商品とサービスの価格指数

これは、統計総局が毎月3回、一定の商品リストに従って、各省、都市の数百の市場における商品、サービスの小売価格を調査した結果を元にまとめたものである。

6.為替レート

1989年3月以前のベトナムの通貨ドンと米ドルの公定レート(国営外為銀行であるVietcombankが定めたレート)はほぼ固定され、ドンとルーブル(旧ソ連)との関係によって規定されてきた。またこのレートは国内諸取り引きの内部決算のため便宜上定められたものに過ぎなかった。1989年3月からそのような内部決算用為替レートが廃止された。その代わりに為替レートが外貨の需給関係、国際収支勘定(貿易収支、借入、債務を含む)などを反映するように設定されるようになった。このため、1990年以降、公定レートと市場レートとの差は無視できるほと小さくなった。